プロジェクトストーリープロジェクトストーリー

PROJECT STORY

プロジェクトストーリー

NFK’s PROJECT 01

水没した工業炉を最短で復旧
小さな縁から生まれた「先客後利」の物語

プロジェクト概要

プロジェクト概要

2019年、台風19号による豪雨災害に見舞われた長野県のお客様から、水没した二つの工業炉を修理してほしいとの依頼が。そこで当社の精鋭たちが速やかに赴き、総力をあげて短期間での復旧を可能にしました。その半年後、今度は工場の一元化に伴う炉の移設と改造を同社から受注します。「お客様により良いものを」という一心で、時に激しく意見を戦わせながら力を尽くした一大プロジェクトです。

生産本部 部長
生産本部 部長 渡辺 大輔 2004年入社

始まりは奇跡的に残った1枚の図面

高さ1.5mまで浸水したお客様の工場とオフィス。奇跡的に残っていた当社の図面が、新たな縁の始まりとなりました。「なんとかなりませんか」との相談を受けた会長の指示により、少数精鋭で早速現地へ。一日も早い操業を目指すためには少しの猶予もありません。そこで、水に浸かった二つの炉のうち、まずは「焼戻炉」を最短でなんとかしようと試みました。制御機器は壊滅し、炉の中は泥だらけ。その清掃から始めて「とにかく急ごう」と作業に打ち込み、なんとか1カ月ほどで炉を再度立ち上げることができました。

私は当時携わっていた別のプロジェクト完了後、少し遅れて合流したのですが、いつもはのどかなアップルライン(国道18号線)に瓦礫が山積しているのを見て、自分自身が経験した三条の7.13水害を思い出しました。お客様の工場に着き、汚れのひどかった炉を塗装しながら「これはえらいこっちゃ」と実感したのを覚えています。

なるべくお金をかけずに復旧させたい

もう一つの「焼入炉」は難題でした。電気で温める炉なので、水没により全てがパーに。完全に直すにはお金も時間もかかります。ただでさえも水害により様々な支出が増えるであろうお客様に配慮し、最低限の予算で復旧させることに重きを置きました。
そこで、炉の下部に付いているコンベアはそのまま残し、屋根だけ取り替えるという方針を固めます。早速、スキルが高く打てば響くようなメンバーを中心に据えてプロジェクトを始動し、当社工場であれこれと試行錯誤。過去に携わった類似ケースのノウハウを応用し、架設するなどして無駄なコストを省いて復旧させることができました。そこに火が入った瞬間の安堵感は、今も忘れられません。

ちなみに先方のリーダーを務めていたT部長は、以前、当社を訪れたこともあるという縁の深い人。二人三脚で立ち上げ作業に臨むなかで信頼関係が深まり、「なんとか力になりたい」との思いは強くなる一方でした。

点から線になったお客様とのより良い関係

設備の復旧から半年後、同社より新たな依頼が舞い込みます。二つの工場を一元化するにあたり、工業炉を移設および改造したいとの旨でした。炉が古すぎるため、クレーンでつり上げることができるのか否かさえ分かりませんでしたが、すでに走り出した計画をストップさせるわけにはいきません。当社のほぼ全員が現地に駆けつけ、チームで役割を分担し、大規模な移設工事に挑みました。

途中、二つの炉の高さを揃えるための方法をめぐって激しく意見が対立することもありましたが、互いに共通するのは「お客様により良い設備を提供したい」という熱い思い。一部を無償で請け負った「災害復旧」を機に再び結ばれた縁は、この移設工事へとつながり、一連の作業を通して育まれた信頼関係もこれから継続していくことでしょう。「先客後利」。改めて、当社の理念を身をもって実感できた印象深いプロジェクトです。

NFK’s PROJECT 02

赤字を黒字に変えた
省エネ化&一元化の新設プロジェクト

プロジェクト概要

プロジェクト概要

静岡県の鍛造メーカーから依頼された設備の入れ替え。第一の目的は「省エネ化」でした。さらに二つの炉を一つにまとめ、効率的で故障の少ない堅牢な炉にしたいという意向も。生産量アップとランニングコストの削減を実現し、設備投資額を数年で償却して早々に利益につなげる計画でしたが、結果は想像以上のものに。処理能力の劇的な向上により、赤字が黒字に転じるほどの効果を生み出した事例です。

生産本部 係長
生産本部 係長 前田 圭介 2011年入社

初体験づくしの新規プロジェクト始動

新規のお客様だったため、まずは現地に赴いて操業の様子を見学。炉と図面を照らし合わせながら、改めて仕様などを確認しました。

お客様の要望が「省エネ化」のため、これまで使用していた炉の燃焼効率など、事前に様々なデータをそろえることが必要です。とは言え、新設前後のデータ比較という作業は初体験だったのでやり方すら分からず、さらには狭小スペースに新しい炉を据え付けなくてはならないといった物理的な課題まで。その都度、経験豊富な先輩や上司からアドバイスを受けながら、一つひとつクリアにして進行しました。

これまでは、応用の効くリピート品を担当することが多かったのですが、今回は「省エネ化」「二つの炉を一つに集約」という明確なテーマがある新設プロジェクトです。大変ではありましたが、そこには成長できるチャンスがぎっしり。また、挑戦することで自分の課題も見えてきました。

自分の弱点を知って一歩前進

私がプロジェクトリーダーを任されるようになったのは入社4~5年目のころ。いくつかの案件を経験してきましたが、常に「失敗しちゃいけない」という意識が先立ち、深いところまで踏み込めないのが弱点でした。

このプロジェクトに携わることで、炉についての知識や情報はもちろん、お客様がどのようにそれを使っているのか、どこに不便を感じ、どうなるのが理想なのかなど、もっと背景や現状を理解しなければと強く思いました。そして、その場しのぎではなく一歩踏み込み、根本的な解決につながるような働きをすることが大切だと実感しています。

また一方で、先輩や上司のバックアップがある中でチャレンジできる安心感にも改めて気づきました。今後はできるだけ一人で考え込まず、細かなことも周りと共有し、チームで取り組んでいきたいと思っています。

うれしい報告の数々が大きな自信に

炉の新設により、お客様の生産量は大幅にアップしました。これまでの「仕事はあるのに生産が追いつかない」という状況から脱することで、先方担当者が「過去最高の忙しさ」と驚くほどの劇的な変化が生まれたのです。その後、「赤字が黒字に転じた」というニュースが飛び込んできたときは、自分のことのようにうれしさがこみ上げたのを覚えています。

当プロジェクトで得たお客様からの信頼はかけがえのないもの。今ではお客様でも交換できる付帯設備に至るまで「NFKさんに聞いてみよう」と頼りにされることに、とてもやりがいを感じています。

後日、このお客様からの紹介により、同じく省エネ化を求める大阪の会社からも引き合いがありました。紹介は信頼の証と考え、これを一つの成功体験として、今後もチャレンジマインドをもってスキルアップに努めます。

JOIN US

私達と一緒に働きませんか